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【RSSクラスSS生物基礎の授業紹介】数学と生物の教科横断!?「アミノ酸の指定にはなぜ塩基が"3つ"必要か?」を生徒自身で証明にチャレンジ!

【利晶学園大阪立命館高校 RSSコースとは?】

本校は2024年度に文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(以下、SSH)の文理融合基礎枠に指定されたことを受け、2025年度からは、立命館コース(理系)の中でもSSH活動を積極的に行うRSSクラスが新設されました。RSSクラスの高校1年生に対して、本校は生物基礎・物理基礎・化学基礎の3科目に関して、他クラスと異なりSS生物基礎・SS物理基礎・SS化学基礎という特別な授業を展開しています。

【授業紹介:数学と生物の教科横断!「アミノ酸の指定にはなぜ塩基が"3つ"必要か?」を生徒自身で証明にチャレンジ!】

今回ご紹介するのは、遺伝情報の「転写・翻訳」の単元を学習している時に実施された、数学(場合の数・確率)の知識を活用した授業です。生物で「転写・翻訳」を学んでいる時に、丁度数学で「場合の数・確率」を学んでいると生徒から聞いたため、挑戦してみました。(生徒と共に教員も授業に全集中してしまったため、写真を撮り忘れてしまいました...授業の様子が伝わりにくく申し訳ございません...)

生物基礎を学ぶ中で、アミノ酸が塩基3つの並び(コドン)で指定されることは当たり前のことで、「なぜ塩基2つや1つではダメなのか?」という根源的な疑問を持つことは少ないかもしれません。

この授業では、生徒たちが数学でちょうど「場合の数や確率」を学習していることに着目し、以下のコラボ問題に挑戦してもらいました。

  1. 前提知識の確認: 生物を構成するアミノ酸は20種類あること、mRNAの塩基の種類は4種類(A, U, G, C)であることを確認。
  2. 論理的な証明: 塩基1つ、2つ、そして3つの並びが、それぞれ最大で何種類のアミノ酸を指定できるかを数学的な「順列」の考え方を用いて計算してもらいました。
  3. 結論の導出: 20種類のアミノ酸を過不足なく指定するためには、塩基の並びがいくつ必要かを論理的に証明し、「塩基3つ(4×4×4=64通り)が最も合理的である」ことを導き出しました。

数学の問題としては簡単に解けても、生物の要素が加わることで、生徒にとっては少し難易度が上がるようでした。難しそうな生徒には、途中でヒントを与えながら、「生体内の現象は論理的・合理的であるものが多い」ことを体感してもらいました。

授業を通して、生徒たちは「暗記」として処理しがちな知識が、実は合理的な理由に基づいて成り立っていることを理解しました。この教科横断的な経験は、知識を応用する力を高めるとともに、科学的な思考の面白さを実感する貴重な機会となりました。

本校のRSSコースでは、科目間の垣根を越えた学びを通じて、大学やその先の研究で求められる多角的な視点と論理的な問題解決能力を養っていきます。