進路実績

東京工業大学で建築を学びながら

利晶学園中学校→利晶学園高等学校→東京工業大学

東京工業大学 環境・社会理工学院

長谷川 高伸さん

東工大でバスケを再開しました!

寮で料理の腕をあげています。

——長谷川さん、こんにちは。東工大に入学して3か月が経ちましたね。大学生活はいかがですか?

長谷川さん:毎日忙しくしていますよ。僕は大学の学生寮に入っていて、その寮がある東急田園都市線の「青葉台」という駅から、1年生が通う大岡山キャンパスまでは40分くらいかかります。

——寮に入っているんですね。

長谷川さん:はい。僕が入寮した「松風学舎」は建物は古くて交通の便もよくないけれど、家賃が約12,000円と格安なんです。

——東京でその家賃だと助かりますね。

長谷川さん:そうなんです。お風呂は銭湯みたいな大浴場でトイレも共同だけど、6畳くらいの広さがある個室に入居できます。

——寮では自炊もできるんですか?

長谷川さん:共同のキッチンがあってそこで自炊しています。ごはんも炊飯器で毎回炊いています。

——どんな料理を作るんですか?

長谷川さん:高校の頃から料理が好きで、時間をかけすに栄養もあるメニューをつくるよう心がけています。そしてうまくできた料理は写真を撮って母にメールで送るんです。(写真を見せながら)これがオムライス。こっちはカレイの煮つけです。

長谷川さんがつくったオムライス

こちらがカレイの煮つけ

——おいしそうですね~。カレイの煮つけなんて、なかなか学生にはつくれませんよね。

長谷川さん:スーパーに買物に行き、安くておいしそうな食材を見つけるんです。それからインターネットでレシピを調べてつくります。もちろん失敗することもあるけど、何回かつくるうちにうまくできるようになります。

——お母さんもメールの写真を見て安心しているでしょうね。いい話だな~。

長谷川さん:でもいまの学生寮は建物が老朽化してきたということで今年度いっぱいで退去になるんですよ。

——では2年生になる時には引っ越しですね。またいい部屋が見つかるといいですね。

大学入学を期にバスケを再開!

長谷川さん:いまのところは家賃や食費を抑えられているのでアルバイトをしないで済んでいます。大学の授業が週に15コマあり、内容が高度だから予習復習も必要ですし、クラブにも入ったので忙しいんですよ。

——バスケットボール部に入部したのですね。

長谷川さん:中学生の時にはバスケ部に入っていましたが、高校では勉強に集中するために部活には入りませんでした。東工大に入学してすぐにあった新入生のグループ(クラスに相当)のオリエンテーションで、僕の自己紹介を聞いていた先輩が声をかけてくれたんです。それで「もう一度バスケをやろう」という気持ちになりました。

——練習は毎日ですか?

長谷川さん:週に5日の練習日があり、夏休みなども活動があります。

——勉強と両立しながら続けるのはたいへんですね。大学でバスケをしてみた感想は?

長谷川さん:もうレベルが違います。身体的なところが高校生と大学生では大違いなんですよ。ですから接触したときなどの「当たり」が強い。プレーすべての面でパワーを感じました。

——身体を鍛えるトレーニングもしているんですか?

長谷川さん:練習がない2日間は大学のトレーニングジムに行っています。本格的なマシンが無料で使えるんです。

——それは素晴らしい環境ですね。

長谷川さん:アメフットとかラグビーとか、身体の「当たり」が特に強い競技をしている人は鍛え方が違いますね。一緒にトレーニングをしていて実感します。

——なるほど。クラブの目標はありますか?

長谷川さん:東京は大学も学生も多いですから、東工大は関東学生リーグの4部です。まずは3部昇格をめざしています。また理工系大学のバスケ部だけを集めた「関東理工系大学バスケットボール連盟」というのもあり、その試合も年間を通じてあります。

——東工大のバスケ部はどんなクラブなんですか?

長谷川さん:大学によって違うとは思いますが、監督やコーチの指導よりも学生が主体的に運営や練習をしていますね。部活を引退した大学院生がコーチを引き受けてくださっていたり。スポーツはみんなで努力したことが結果にはっきり出るのでそこが面白みだと思います。高校でおやすみしていたぶん、大学ではバスケに力いっぱい取り組みたいと思っています。

——ありがとうございます。次回は東工大の授業について教えてください。よろしくおねがいします。

COLUMN

東京の大学スポーツはスケールが違う。

東工大の名物授業「東工大立志プロジェクト」とは。

東工大ならではの授業に感動。

——今回は長谷川さんが受けている授業についてお話しください。

長谷川さん:英語の授業以外はすべて理系の科目です。力学や微積分はすごくハイレベルな内容ですし、化学では高校の授業とは違って「なぜこういった化学反応が起きるのか」を電子レベルにまで突っ込んだ内容で教わります。

——さすが東工大ですね。

長谷川さん:それから、東工大ならではの授業に「東工大立志プロジェクト」とうものがあります。これは1年生の4~6月に行われる授業で、大講義形式の授業とその内容についてディスカッションする少人数の授業がセットになっています。そしてその大講義なんですが、毎回ゲストスピーカーの先生が招かれていて、その顔ぶれがすごいんです。

——たとえば…。

長谷川さん:池上 彰さん。東工大の特命教授をしていらっしゃるのですが、水俣病と科学者の社会的責任、なかでも東工大の研究者の責任問題についてお話しされ、科学者と倫理の問題について考えさせられました。また、大阪大学特任教授で劇作家の平田オリザさんは、自身が研究し、また演劇作品としても実践している「ロボットを使った演劇」を題材に、「人間らしさ」や「いのちとは?」についてお話しになりました。

——すごい内容ですね。聴き応えがありそうです。

長谷川さん:その後に4人のグループで講義内容についてディスカッションし、その結果をレポートにまとめるんです。

——とても特徴のある授業ですね。

長谷川さん:この授業を新入生が集中して受講することで、これからの科学者、エンジニアに必要な「人間性」「社会性」「創造性」を培い、将来どのような仕事で知識や技術を生かしていくかという「志」を育てようという目的らしいです。とても刺激的で中身の濃い授業でしたね。

建築の仕事に携わる先輩の講義も。

長谷川さん:ほかにも新入生向けの特色ある授業として「環境・社会理工学院専門基礎」があります。これは、僕が所属する「環境・社会理工学院」(学部に相当)で学んでいくための基本的な知識や考え方を学びながら、将来の進路などを考えていく授業なんですが、そこに東京工大の卒業生で活躍していらっしゃる方が招かれるんですよ。

——なるほど。

長谷川さん:僕は将来建築分野の仕事をしたいと考えているんですが、卒業生で途上国のインフラ建設に携わっている方や、日本の著名な建築会社で設計の仕事をしている方などが来てお話しくださいました。

——長谷川さんは建築家志望なんですね。

長谷川さん:歴史に残っていくような建築物を自分の手でつくりたいという夢をもっています。実際にベトナムで橋をつくっている人の話を聞いて、建築や土木の仕事のスケールの大きさを改めて感じました。

——それでは次回は建築学についてお話しいただきたいと思います。ありがとうございました。

COLUMN

東京工業大学ってどんな大学?

東京工業大学は、創立から130年を越える歴史をもつ国立大学であり、日本最高の理工系総合大学。大岡山、すずかけ台、田町の3つのキャンパスに学士課程約5,000人、大学院課程約5,000人の計約10,000人の学生が学び、うち、約1,200名が海外からの留学生です。「世界最高の理工系総合大学」の実現を通じ、世界を舞台に科学技術の分野で活躍できる人材の輩出しつつ地球規模の課題を解決する研究を展開することを研究・教育の目標としています。現在、「TSUBAME」という世界最高レベルの性能をもつスーパーコンピュータが研究に利用されています。

■歴史と現在

工業立国を模索する明治政府が、1881年(明治14年)に専門技術の素養を備えた優れた職工長・工業教員を養成するために設立した最初の工業教育機関である東京職工学校を母体とします。現在は、伝統的な理工学に加え、情報系、バイオ系、社会・経営系をカバーする理工系総合大学となっており、2016年4月から従来の「3学部・大学院6研究科」による体制を、学部・大学院一貫した「6学院制」に再編しました。

6つの学院(学士課程)

理学院

  • 数学系
  • 物理学系
  • 化学系
  • 地球惑星科学系

工学院

  • 機械系
  • システム制御系
  • 電気電子系
  • 情報通信系
  • 経営工学系

物質理工学院

  • 材料系
  • 応用化学系

生命理工学院

  • 生命工学系

情報工学院

  • 情報理工学系
  • 情報工学系

環境·社会理工学院

  • 建築学系
  • 土木·環境工学系
  • 融合理工学系
東京工業大学の研究や教員、卒業生から生まれた成果
  • ブラウン管によるテレビの発明
  • 磁気記憶材料フェライトの発明
  • ビタミンB2の合成技術の開発
  • 電気を通すプラスチックの発見(2000年ノーベル化学賞)
  • 光ファイバー通信技術の開発 など

建築科をめざして勉強中。

——長谷川さんが建築に興味をもったきっかけを教えてください。

長谷川さん:中学3年のときに「りしょう」の「総合的な学習の時間」で大学について調べる授業がありました。そこで建築分野に魅力を感じるようになったんです。建築学は歴史のある学問で、社会に直結した分野でもあります。僕が所属している「環境・社会理工学院」には「建築学系」「土木・環境工学系」「融合理工学系」「社会・人間科学系」「イノベーション科学系」の5つの「系」があります。僕は「建築学系」を志望しているんですが、土木や環境といった関連分野にも関心をもっています。

——授業で建築物を見る機会もあるんですか?

長谷川さん:はい。1966年に竣工した歴史的な建物「パレスサイドビル」の見学に行きました。建設されたのは50年以上前ですが、構造やデザインには年月を経ても変わらないよさがあります。そうした実際の建築物を目にして、建築の意匠(デザイン)にも関心が出てきました。

東京に来てびっくりしたこと。

——東京は大都市ですから建築のケーススタディとなる建物も多いですね。

長谷川さん:とにかく東京はなんでもスケールが大きいですね。東京に来て最初にびっくりしたことは、電車に乗っているとテレビで聞いたことのある地名が次々に出てくることです。山手線に載ったら池袋、新宿、原宿、池袋…と。

——なるほど。最初は驚くかもしれませんね。

長谷川さん:それから、電車の混み方がはんぱでないです。寮からキャンパスに通学する電車の混雑ぶりに最初はたじたじとしました(笑)。

——たしかに。関西ではありえない混み方ですよね。「殺人的」ということばがぴったりのような…。

長谷川さん:でも、家族もいない、最初は友だちもいない、そんな環境に身をおくことも大切かなといまでは思っています。自分一人で洗濯や掃除もして、勉強も自主的にしなければならない。何よりも親のありがたさを実感しています。

——東京という離れた場所で人間関係を最初からつくっていくのはたいへんなことですが、いい人生経験になりますよね。

長谷川さん:そうですね。バスケ部に入って友だちや先輩もできましたし。いまは勉強とクラブ活動でせいいっぱいですが、もう少ししたらアルバイトで社会経験を積みたいと思っています。

——アルバイトはどんな仕事を希望していますか?

長谷川さん:好きな料理の分野のアルバイトをしてみたいと思ったりしています。自分の知らない世界で、建築とは別の業界のことを学生のうちに見ておきたいなと。

——これからもますます忙しくなりそうですね。次回も充実した学生生活のお話をうかがえそうです。ありがとうございました。

東工大をめざして勉強に打ち込んだ3年間。

高2の秋から東工大を目標に。

——長谷川さんは「りしょう」の中学から高校に進学した時から、難関大学合格を目標に勉強に打ち込んだとうかがいました。具体的に東京工業大学をめざすようになったのはいつ頃ですか?

長谷川さん:高2の夏頃でしょうか。ちょうど2020年にオリンピックがある時期に東京にいて、チャンスがあればボランティアに参加できたらいいなと思いました。

——そこで日本トップレベルの理工系総合大学である東工大を志望校にしたのですね。

長谷川さん:——はい。東工大の入試は数学が難しいと知り、とくに数学の勉強に力を入れて取り組むことにしました。

——数学の勉強はどのように進めましたか?

長谷川さん:高1から高2の夏までは「チャート式 基礎からの数学」という参考書で勉強していました。受験生のみんなから「青チャート」と呼ばれている本です。そして高いレベルの問題を解く力を身につけるために高2の秋からは予備校に通うようになりましたから、予備校のテキストも使うようになりましたね。また自習用には、難関大学に向けて勉強する人向けの「大学への数学」というテキストの増刊号を使っていました。

——取り組む参考書を決めて勉強したのですね。

長谷川さん:そうですね。しっかりとした参考書を選んで、それを徹底的にやることが大切だと思います。苦手なところは繰り返し解くことで克服できると思いますよ。

長谷川さんが高2の夏まで取り組んでいた「チャート式 基礎からの数学」(数研出版)

難関理系学部を受験する人の「バイブル」といわれる「大学への数学」(東京出版)。毎月発行される雑誌スタイルの参考書だが、長谷川さんは集中して取り組みたいテーマを特集した増刊号を購入して使っていた。

友人と公民館で自主学習。

——長谷川さんは高校時代にどれくらいの時間を勉強にあてていたんですか?

長谷川さん:そうですね。とにかく時間を有効に使って集中するようにしていました。まず朝は、スクールバスが学校に7時半に着いてからホームルームが始まるまでの約1時間を自習の時間にしていました。また、放課後は「りしょう」の中学校から一緒だった友人たち4人と公民館に集まって毎日勉強していました。夕方の6時くらいから9時までみっちりです。

——公民館で勉強ができるのですね。

長谷川さん:はい。静かだし集中できますから。そういった施設があったことはとても恵まれていたと思います。

——中学から仲がよかったお友だちもみんな難関大学を志望していたのですね。

長谷川さん:志望校も違うし勉強している内容も違いましたが「合格に向けてがんばろう」という思いは同じでしたね。日曜日も公民館に集まって8時間くらい勉強していました。

——そして帰宅してから夕食ですか。

長谷川さん:はい。夕食の後は宿題などを片付けてさっさと寝ていました。睡眠はしっかりとるように心がけていましたから。

——「睡眠時間を充分にとる」のが長谷川さんのモットーだったのですね。

長谷川さん:そうなんです。実は高校で学力がぐんと伸びた時期が何度かあって、思い返してみるとそれはしっかり睡眠がとれていた時期だと気づいたんです。ですから常に、充分な睡眠をとれるように時間配分を考えるようにしていました。

——お家の方の協力もあったのですね。

長谷川さん:朝早く家を出ていく僕のために毎日朝ごはんをつくってくれた母にはとくに感謝しています。睡眠とともに食事も大切ですから。

——いっしょに目標に向かって公民館での自習を続けた友人たちやご家族に支えられて東工大合格という栄冠を手にしたのですね。とてもいいお話をうかがえました。次回も長谷川さんの「東工大合格エピソード」を聞かせてください。ありがとうございました。

「東工大対策ノート」を大公開。

長谷川さんが大学受験のためにつくった「東工大対策ノート」。数学・英語・物理・化学があり全部で19冊。今もきれいに保存している。

中学の授業で覚えたノートのつくりかた。

——今日は長谷川さんの自習ノートのことをうかがいたいと思います。実は何人かの卒業生から「長谷川くんのノートはすごい」という話を聞いています。

長谷川さん:そうなんですね(笑)。ノートをきれいに書くようになったのは、中学3年生の時の担任の先生が「ふりかえりノート」をつくるように指導してくださったのがきっかけなんです。模擬試験の結果を受けて、できなかった問題を書き写して正しい解答を書くといった内容のノートです。

——ノートのまとめ方も指導してもらったのですか?

長谷川さん:先生は地理の授業を担当していたのですが、とても板書がきれいで、最初はその先生の板書をまねることから始めました。

——先生の板書をきれいに書き写すのですね。

長谷川さん:はい。要点のまとめ方やレイアウトなど、他の教科のノートづくりの参考にもなることがいっぱいありました。

——それで他の教科でもノートをきれいにつくるようになっていったのですね。

長谷川さん:次に高校2年の後半から予備校に通うようになって、その授業の先生の板書もていねいにノートに写していきました。

——数学の授業ですね。

長谷川さん:はい。とてもレベルの高い内容を教わる授業でした。で、予備校の授業の板書を写していくことで、成績が目に見えて上がっていったんです。「これはやっぱりノートが大切だぞ」と思いましたね。

——なるほど。

長谷川さん:数学の場合だと、ただ数式を書くだけでなく解法にしたがって自分で論理的な文章を書いていくようにしました。

長谷川さんの「数学・東工大対策ノート」。参考書やプリントの問題を貼りつけ、その解法を細かく書き込んである。ただ答えを書くのではなく、そのプロセスをしっかり書くことで応用力がついていった。全部で5冊。

——苦手科目についてはどうですか?

長谷川さん:英語は苦手ではなかったのですが、長文を読むのが遅かったのです。東工大入試の英語は長文問題の文章が長いことが特長だったので、その弱点もノートを使って克服しようと思いました。

——どのようなノートをつくったのですか?

長谷川さん:長文を読んでいてつまづいた時に、その原因が「単語」だったのか「構文」だったのか「文法」だったのか、あるいはなじみのない「口語表現」だったのかなどを明らかにし、それをノートに書いて授業の合間などに読み返していました。すると英語の成績も上がったんですよ。

——素晴らしいですね。

長谷川さん:英語の成績は理系の科目よりも成績の伸びが遅いと聞いていたので、早めに取り組んだのがよかったと思います。そうしたノートがやがては「東工大対策ノート」になり、受験前に何度も見直すことで本番で失敗しない実力がついたのだと思っています。

こちらは英語の「東工大対策ノート」。左ページに難しかった長文の文章を書き写し、その文法などの要点を記入。右ページには重要な単語を整理して書き込み、何度も見直して覚えるようにした。これが全部で5冊になった。

スランプ脱出はバスケの試合観戦で。

——そのように対策ノートをつくりながら着実に受験勉強をしていったわけですが、東工大合格の自信がついたのはいつ頃ですか?

長谷川さん:高3の秋に志望大学別の模擬試験があって、そこでA判定が出た時に「いけるぞ!」と思いましたね。

——なるほど。A判定が出たらもう一安心ですよね。

長谷川さん:でも実はその後少しスランプになって…。

——?????

長谷川さん:気が抜けてしまったのでしょうか。何をしても眠くて、勉強に集中できなくなってしまいました。体調も思わしくない感じで…。

——その時はどうしましたか?

長谷川さん:インターネットでNBAの試合を見て気分転換したり…。

——アメリカのバスケットボールの試合ですね。

長谷川さん:はい。中学でやっていたバスケを高校では受験勉強のためにやめていたんですが、試合を見て元気を出そうと…。

——効果はありましたか?

長谷川さん:そうですね。NBAの監督がおっしゃった「一流の選手は試合中に調子を取り戻す」という言葉を知り、僕がもし大学受験に失敗しても「スランプだったから」と言い訳はできないなと考えました。

——NBAの監督の言葉に励まされてスランプを切りぬけたのですね。

長谷川さん:やっぱり公民館で集まって勉強し続けた「りしょう」の仲間の存在が大きかったと思います。多少気分や体調がすぐれなくても公民館での自習は続けました。友人たちはそれぞれが志望校に合格し、日本各地に散らばりました。でもいまでも連絡を取り合っていますし、何よりも受験の壁を乗り越えた仲間として一生大切にしたい友人です。

——そうですか。中学高校と6年間を「りしょう」で過ごした仲間が大きな支えになってくれたのですね。ありがとうございました。次回はいまの大学生活などについてお話しいただきます。ありがとうございました。

仮想空間に建物をつくるゲームに夢中。

建築学の基礎「図学」の授業も履修。

——東工大では1年間を4つの学期に分けてそれぞれを「クォーター」と呼んでいるそうですね。いまは1年生の第2クォーターまでが終わって夏休みです。

長谷川さん:入学してからの4か月間で2つのクォーターがあり、それぞれの学期の終わりには試験がありました。1回目の試験はどの教科も良い成績でしたが、2回目の試験では少しあぶなかった科目もあります(笑)。でも大学に入ってからの数か月間で、少し気持ちにゆとりができたというか、「自分はなんのために勉強するのか」を考えることができるようになりました。

——なるほど。

長谷川さん:高校のときは受験という大きな目標があり、まわりが見えないほどに一心不乱に勉強していました。でも大学でいろいろな授業を受けて、社会を見る視点を学ぶことができました。

——新入生向けに「東工大立志プロジェクト」という名物授業があるとvol.2のインタビューでもお話しいただきましたね。

長谷川さん:はい。その授業もとても興味深かったのですが、そのほかにも文系の教養系科目で戦後の日本史や日本国憲法について学んだり、日本の年金制度について教わったりしたことが印象深かったです。

——大学では専門分野の高度な授業だけでなく、幅広い分野の知識、教養も深められます。東工大には池上彰さんをはじめ著名な文系・社会科学系の教員が集まっていますよね。それは東工大の伝統といえるものです。これからの授業も楽しみですね。

長谷川さん:はい。また、僕が進みたい建築の分野についても、その基礎である「図学」の授業を履修しています。

——設計製図の基礎となるスキルを学ぶ科目ですね。建築の現場ではコンピュータを使ったCAD(Computer Aided Design)が使われていると思いますが…。

長谷川さん:CADもちろんマスターしますが、まず手描きで製図することからしっかり勉強することになっています。三角定規やコンパスを使って、三角柱を平面図と立面図にするといった基本的なことから学んでいます。もともと絵を描くのは好きだったのですが、製図となると勝手が違って最初は苦戦しました。(笑)。

——そうした基礎基本の学習を1年生のうちにして、徐々に専門的な勉強へと進んでいくのですね。

クラブ活動のほかに始めた新しい趣味。

——長谷川さんは毎日のようにバスケットボール部の活動があると聞きました。

長谷川さん:はい。クラブ活動は週に2回の休みがあるのですが、休みの日も自主トレーニングなどをしていて忙しくしています。

——そのほかに勉強の気分転換になることはしていますか?

長谷川さん:実は、公民館で集まって受験勉強をしていた「りしょう」の友だちと連絡をとりあって、いま「マインクラフト」というゲームに凝っています。

——それはどんなゲームなんですか?

長谷川さん:仮想空間に自分の好きな建物やその内部、周囲の景観などをつくりながら、その空間で冒険をするというゲームなんです。

——面白そうですが、難しそうですね。

長谷川さん:「レゴ」をコンピュータの仮想空間に置き換えたようなものと思ってください。さまざまなパーツを組み合わせて好きな色を塗ることで、どのような複雑な建築物もつくることができます。

——建築を志す長谷川さんにピッタリのゲームですね。

長谷川さん:はい。将来的には、実際の建築に応用もできるんじゃないかと、そう思えるほどに可能性のあるゲームソフトなんです。

——どんな建物をつくっているのですか?

長谷川さん:実は友人たちと「りしょう」の校舎も再現しました(笑)。

——すごいですね(長谷川さんのスマートフォンで画面を見ながら)。

長谷川さんが仮想空間に再現した「りしょう」。内部も細かく再現されていて、校舎内を探索しながらゲームが楽しめる。

長谷川さん:友だちとは、これからできあがったものをYouTubeにアップしていこうと話しています。その制作過程もわかるようにして…。

——それは楽しみですね。いつか「りしょう」の校舎もみなさんが見られるようにしてください。

長谷川さん:そうですね(笑)。大学の授業も建築に関わる力学分野の内容などがどんどん難しくなってきています。気を抜かないでいこうと思っています。

——どうもありがとうございました。1年生後半の第3、第4クォーターもがんばってくださいね。この一年間、いろいろなお話を聞かせていただきありがとうございました。今後のご活躍を期待しています。どうもありがとうございました。

※ここに掲載された文章は、本人への取材をもとに利晶学園高校が作成しています。
※すべての文章、内容の責任は利晶学園高校にあります。

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