熊本 匠真さん

2015年度にはつしば学園小学校(現:利晶学園小学校)を卒業後、
初芝立命館中学校・高等学校の立命館コースを経て、
現在は立命館大学経済学科で歴史から経済を紐解く研究に取り組んでいる。

「教科書にはない新たな事実を解き明かすのは面白い」と
研究に熱中する、熊本匠真さん。
その探求心の原点は、小学校時代に“特訓ノート”を通して学んだ
「諦めない心」にありました。
経済学を通して世のお金の流れを理解し、
将来は経営者として世界で活躍したいと語ります。
探求心から礼儀作法やコミュニケーション能力まで、
人としての基盤を築いた小学校時代の学びについて伺いました。

探求心の原点となった“特訓ノート”

立命館大学細谷ゼミで、高度経済成長期の歴史を分析し、現代社会に応用する研究をしています。教科書にはない新たな事実を自ら解き明かすことは、とても面白いです。この探求心の原点は、小学校時代の恩師との出会いにあります。当時勉強に苦手意識を持っていた私を、担任の先生は手厚くサポートしてくれました。

例えば、私がつまずいた問題をまとめた“特訓ノート”を、先生が特別に用意してくれました。特訓ノートで苦手分野に向き合った経験を通して、困難に直面してもあきらめず、考え抜く力が養われたと感じています。こうした経験は、現在の研究にも生かされています。私のテーマは先行研究が少ない「日本横断運河構想」。これは、高度経済成長期に計画されたものの実現しなかった、日本海と太平洋を運河でつなぐ政策です。探求心がくすぐられる一方で、資料を読み解く難しさに直面することもあります。時にはゼミの仲間や教授の意見を参考にしながら、納得のいくまで調べて論文を書き上げました。その成果として、ゼミナール大会で入賞することができました。
また、学業と並行して目標として掲げていたのが、「大学在学中に自分の貯金で車を買う」ということ。遊びたい気持ちもありましたが、学業とアルバイトに全力で打ち込みました。そして、大学3年生の冬には、念願の車を購入することができました。この経験でも、自分の粘り強さを発揮できたと実感しています。

人間としての土台を築けた

小学校で礼儀作法や人との接し方を学ぶことができたのは、私の人生に大きな影響を与えています。式典での座り方をはじめ、大人になっても恥ずかしくない礼儀作法を身につけることができました。また、先生や友人との会話が活発な環境だったおかげで、コミュニケーション能力を高めることができました。

円滑な会話には、多くのスキルが求められます。相手の目を見て落ち着いて話す力や、適切に相槌を打ちながら相手の話を受け取る力、相手の反応を見ながら会話を進める力。当たり前のように思えますが、実は簡単には身につかない力です。しかし、小学校での「しつけ教育」や「グループ・ペア学習」を通して、自然と意識するようになりました。実際、就職活動の面接では、面接官から落ち着いた話し方を評価していただきました。
小学校で培った礼儀や対話の力は、私にとってかけがえのない財産です。

世界で活躍する経営者を目指して

幼い頃から経営者である親や親戚の影響を受け、将来の夢は世界で活躍できる経営者になることです。卒業後は、内定をいただいている金融系のベンチャー企業に入社し、営業マンとして働きます。金融は無形商材を扱うため、自分自身が商品となります。これは有形商材を売るよりもはるかに難しいとされていますが、小学校での教えである「迷った時は厳しい道を選べ」を胸に、挑戦することを決めました

そこで鍵となるのが、小学校で身につけたコミュニケーション能力。丁寧で穏やかな言葉遣いが信頼感につながるように、人間性は対話の中で感じていくものです。お客様との丁寧なコミュニケーションを武器に売上に貢献し、営業力のある経営者を目指して日々成長していきたいです。

※校名等はすべて取材時の情報となります。